最近はスカイツリーの影響で、 聞いたことある方も増えてきたのでは? そう、スカイツリーのある押上の隣駅。
今回はニッチに京成曳舟をぶらりします。
ここは元々、東京大空襲のときに奇跡的に焼け野原を逃れ、今でも大正時代からの古い長屋が残る東京でも珍しい場所です。入り組んだ路地にトタン屋根で出来た簡易平屋が軒を連ね、戦後は東京一の人口密度になったこともあるほど賑わいを見せていたそうです。
今は、住民の高齢化も進み、穏やかな下町になっていますが、町を歩いていると、ふと昭和の世界に迷い込んでしまったかのように、時をさかのぼる風景が広がります。
ということで、スカイツリーを横目に、、、

まずは、押上からほど近い文花(ぶんか)の辺りを散策。
この辺りは、道も広く古い長屋というよりはそのあとに建った建物が多く見受けられます。
今回、是非紹介したい1店目!
「長屋茶房 天真庵(てんしんあん)」

60年の古い長屋を改装した店内は、懐かしさを感じさせる落ち着いた空間です。
こちらは、店内撮影NG、パソコンもNG、通話はもちろんNGと、R-STOREスタッフがふらっと入ったら怒られてしまいそうな徹底ぶりですが(笑)、その分あって、かなり美味しいコーヒーが飲めます。
撮影NGなので中のご紹介は出来ませんが、ぜひ一度来てみて欲しいお店です。
店主は固い感じというより喫茶のマスター?のような方で、頻繁に凄腕奏者を呼んでLIVEも開催されるそう。
2階はギャラリーになっていて、寺子屋として稽古会が行われることも!?
取材の日は、立寄りませんでしたが、近所の方々で賑わっている様子でした。
そんな天真庵からすぐ近くの1本裏に入ったところ。

「SPICE Cafe」
こちらはご存知の方も多いかもしれませんが、 ここらじゃ結構有名なお店です。
まず、外観からしてなんじゃこりゃと言う感じ。まさかお店があるなんて、、、素通りしてしまいそうな構えです。
店内は外観からは想像出来ないほど、 素敵にリノベーションされていてほっこりした空間です。
「スパイスカフェ」だけあって、店内はカレーのいい香り。レシピ本がでているほどの人気ぶりはお店に行けば分かるかも。
週末は結構満席になりやすいので、行く時には予約をしていくのをオススメします。
さて、腹ごしらえも済んだところで、ここからは少し、町の様子を見ていきましょう。
「京島」という住所になると、 ちょこちょこと古い長屋が見受けられます。
歩いていると段々と迷路のように道がくねくねしていくんです。周りの風景もいつの間にか昭和の世界に引き込まれていくように、どこか懐かしさを感じさせます。

(上中)青トタンの簡易平屋はごちゃごちゃっと集まってます/(下左)現在、改装中の住居。いい緑色です。
この日は土曜日ということもあり、自転車ですれ違う人も多く、 子供が路地で遊ぶ姿も。
なんていうか、 この町だけは昔から時代が変わってないような錯覚を思わせます。
そんな長屋の並ぶ通りを歩いていると、着いたのが「下町人情♡ キラキラ橘商店街」。

下町人情が付くだけあって、ザ・下町な風景です。
週末の日中ということもあってか、商店街は活気あり、 駅からこれだけ離れた商店街なのに人で賑わっています。
まず紹介したいのが、私の行きつけ「ハト屋」

味がありすぎな外観のこちら、コッペパン屋さんです。
ショウケースに入ったコッペパン。15時頃にはだいたい売り切れてしまうほどの人気ぶりは今 でも健在。
注文すると、奥からおじいちゃんが昔から変わらぬスタンス( と言った感じ)で
ピーナッツクリームを塗ってくれ、

店先には古めかしい写真がたくさん。昔から著名人にも親しまれてるのか、
こちらは、「ペロケ」というケーキ屋さん?

店構えだけで、かなりツッコミどころ満載なんです!
ぱっと見ケーキ屋さんなんです。けど、旗がおかしいと思いませんか?
「冷やし中華」そして、ラーメンの提灯(笑)
そうなんです、こちらのお店はケーキ屋さんなのに、 ラーメンが食べれるんです!そして結構美味しいです!!
とってもシンプル昔ながらの中華そばといった感じですが、 これ意外にオススメです。
ラーメンの食後は、コーヒーなんていかが?笑
「爬虫類館分館」

名前だけだと何のお店?って感じがしますが、この辺りでは有名な?オシャレカフェです。
名前の由来は、爬虫類が好きな訳でもなく、 ただ漢字の並びがかっこよかったからと私は聞きました(笑)ちなみに、分館ですが、ここが本店です。
そして、こちらのお店の面白いところ。
それは、日替わり店長!現在、 総勢14人のお店がこの場所だけで楽しめるんです。
既に何人かの卒業生もだし、 同じ京島の町で独立している店長さんも。

黒板にお店の屋号がずらっと!
これこそ、シェア店舗?というんでしょうか。
お店を始める敷居も結構低くて、どんな人でもやってみたいと思えば、お店の空白の時間を利用してこの場所が借りられます。私もカフェを始める時はまずここから…と思っているので、良ければ皆さんも。
ちなみに、分館の2階はかなり歴史があり(詳しく知りたい方はこちら→ http://www.bunkan.com/blog/?page_id=16)、元々シェアハウスとしてこの辺りの若者の起点となっていましたが、最近ではイベントスペースとして活用されています。
つい最近オープンしたのが、「RaRa primopiano handmade soap(ララ)」ハンドメイドソープが作れるそうです。

「ムームーカフェ/サテライトキッチン」

こちらも二人のイケメン店長さんが屋号を分けて運営しているお店。店内に入ると、メニューが2つあるのに驚きです。
ムームーカフェは珈琲のお店。
サテライトキッチンは、 ハーブを使った料理や飲み物が楽しめます。
しかし、この町の人はそれだけじゃ終わらない!
このお二人、2つの肩書きをお持ち・・・。そう!お二人はミュージシャンでもあるんです!
「多い時は4つもバンドを掛け持ちしてました。笑」
と言う訳で、お店は不定休。お店が閉まっていたら、バンド活動してるんだなと暖かく応援してくださいね。
4席しかない店内はこじんまりですが、その分、 初めてのお客さんもみんな仲良くなっちゃう雰囲気があります。
なんていうか、ふらっと寄れるお店ってこういうところかもと、将来カフェを開きたい私にとっては勉強になりました。

ちなみにこちらのお店の2階もご好意で覗かせてもらいました。
ムームーカフェの店主、あゆむさんのお家。なんと全てご自身で手を加えたとのこと!
元々は和室だったのを取っ払い、押入れはオリジナルの飾り棚に。
所々にある建具や窓なんかもみんな解体中の家から拾ってきたとか (笑)今後の完成が楽しみです!
そして、そのちょっと先。。。
こちらは11月のオープンに向けて作業中のニット屋さんです。
ちょうどお店の改装が昨日終わったばかりということで、 ご好意に少し覗かせてもらいました。

私にはどう使ったらいいか検討も付きませんでしたが、 どうやらこの機械、かなりの優れものみたいです。
編み方や模様などたくさんの針を調節すれば簡単にオリジナルな洋 服が作れちゃうそう。

まだ試行錯誤中の作品も見せて頂きましたが、 カンでだいたい作れちゃうというので驚き。
オープンした頃にはちょうど肌寒くなっていそうなので、 是非1着注文してみたくなりました。
お次はこちら。

この2つ、同じ建物です。笑
側面がこんなにも違った建物は、珍しいですよね。中はもっと想像を越える出来!

ハンモックのある共用スペース。
何と、こちらはシェアハウスになっています。「文花会館」というそうです。

現在は、女性3名に屋根裏に男性1名(入居予定)のメンバー構成。
募集当初のメンバーがみんな卒業するとのことで、今のメンバーは今年4月からとのこと。
元々改装して住んでいた家なので、使い勝手もよく不自由もなさそう。ベランダから見えるイチジクの実が食べごろと教えてくれましたが、トタン屋根を歩いて取りにいく勇気が私にはまだありませんでした…笑

4軒長屋。こちらの左端もシェアハウスとして男5人ほどが住んでいる

こちらは私が前々から狙っている4軒平屋。

ちなみに、こちらは現在、空き家とのこと。1階はキッチンと水回りだけ。2階に2部屋の気になる内装はいかに・・・
そして、今回惜しくも、本当に惜しくも、外観のみのご紹介。「ごでんや」

「日本酒を世界に」をコンセプトに、1品に1種類の日本酒を提供してくれる、かなりの人気店!
是非一度は足を踏み入れたかったのですが、残念なことに?ではないですが、このたび香港に出店されることが決まったそう。
と言う訳で、京島店はあと1ヶ月ほどで一旦店じまい。告知後すぐに閉店までの予約はいっぱい。私はタイミングを逃してしまいました・・・
こちらのお店はそのままの状態で残して旅立たれるそうなので、次の機会があったら是非行ってみたいお店です。
「Retro Cycle (レトロ サイクル)」

ノベルティもらっちゃいました!
こちらはまさに本日プレオープン!のまたまた素敵なお店。
店内には、昭和香るレトロな自転車用品?

「Retro Cycle」 ”tro”を取ると、リサイクルになるというお気に入りのネーミング。
放置自転車や不要になった自転車を回収し、リペア(Repair)レストア(Restore)リメイク(Remake)し、世界に一台しかない、本当の意味でリサイクル(Recycle)する自転車をなるべく価格を抑えつつつ提供していきたい。
自分のオリジナル自転車への第一歩は300円の小物からで十分だと。
「 自転車の駄菓子屋さんを目指してます」 と熱く語ってくれた店主は、かなりの想い入れがあるよう。
オープン前ですが、既に自転車の注文は20台と、これからの注目が楽しみです!
そしてそして、元々ここは蕎麦屋さんだったというから、また驚き。
ご自身で手を加えて、蕎麦屋の名残?ものこしつつ、 立派な自転車屋さんに生まれ変わっていました。
どうですか? 曳舟。京島。
結構ディープな側面をご紹介してしまいましたが、この町には何か若者を引きつける魅力があるようです。
デザイナーさんに、職人さん、アーティストなどクリエイティブな人がこんなに集まっていて、そんな人たちにすぐ会える町。
気になるなら、一度ムームーカフェでも覗いてみてください。
たぶん、今回行ったスポットはほとんど見せてもらえると思います。笑

それくらい、ふらっと立ち寄れる、この場所が好きな人ならすぐに仲間になれる、新旧が混合してる町なのです。