今回、ご案内するのは石川台。東急池上線は五反田〜蒲田を結ぶローカル線。五反田駅、蒲田駅どちらから乗っても七駅目で15分。意外と便利なんです。気になる駅の周辺は、高台になっており、坂の多い街。実は駅に向かって下る坂からの風景はCMやドラマのロケ地に使われることが非常に多い駅です。池上線の掘割は春になると桜や大根の花・菜の花など色とりどりに咲き乱れ、多くの見物客で賑わいます。
先ず向かったのは駅から徒歩2分の場所にある「雪ヶ谷八幡神社」。
実はこの神社400年余りの歴史がある神社。こういう、フラッと立ち寄ることが出来るスポットがある町。私は大好きです。
さて、次は「希望ヶ丘商店街」に向かいます。
石川台を語る上でこの商店街を語らない訳にはいきません。
駅から徒歩3分。約600M一直線に続く商店街は年間行事もたくさん。
餅つき、盆踊り、フリーマーケット、サンバなどなどイベント盛りだくさんで知られる商店街ですが、アーチ灯、街路灯、カラー舗装と整備し、歩道には足休めにと、ベンチなども用意。「安心、安全、触れ合いの商店街」をテーマに運営されている商店街です。
前置きもそこそこに早速、商店街を歩いてみましょう。
入り口すぐ近くにある八百屋さん「鈴勝分店」。
この日の目玉は茨城産の泥葱。なんと7本入りで150円。
商品を物色してると「どこから来たの?」とやさしく語りかけてくれる女将さん。40年以上、石川台の生活を支えてきた女将さんならではの優しい口調がこの商店街の性質を物語っています。
さらに奥へと進み「鈴木豆腐店」に到着。
「中の写真は堪忍して」と言われてしまい撮影できませんでしたが、お父さんとお母さんの丁寧で無駄のない動きは職人技。毎朝5時に開店。この日購入した「揚げ豆腐」はタレ付き。持ち帰り自宅でいただいたのですが、ちょっと甘めのタレと豆腐のまろやかさが絶妙でした。
さて、ここいらでお腹が減ったので昼食を。目の前には昔懐かし佇まいの中華店「大むら」さん。
ショーケースを見ると食品サンプルではなく実物が飾られていました。しかも、中華店なのに「オムライス」や「カツカレー」「親子丼」など幅広い品揃え。ちょっとワクワクします。
店内はどこか懐かしい雰囲気。でも、とても清潔感があります。
私は「やわらかい焼そば」と「餃子」を注文。これが大当たり。
熱々具沢山の餡が麺に絡む絡む。餃子はニンニク多め、具沢山。表面はカリッと。
コストパフォーマンスも高い。厨房奥で調理する親父さんの鋭い目と女将さんのゆるい接客が「ばしっ」とハマった良いお店でした。
お腹がいっぱいになりながらも「ちょっと甘いものも欲しいな」と考えた私はグットルッキングな洋菓子店「プチアビニョン」へ。
こちらの店舗一筋48年のご主人。「オススメは?」と聞くと少し照れくさそうに「どれも美味しいですが一流ではないですよ」と笑顔。こういう店は間違いないです。
この日はカマンベールチーズを使ったケーキを購入。コクがあるのに後を引かない甘さ加減。
ご主人。これは一流の味ですよ。とっても美味しかったです。
最後に立ち寄ったのは「鳥岡商店」さん。こちらは鶏肉専門の精肉店です。
前に立ち寄った時は軒先で焼き鳥を焼いてらっしゃったのですが…。
「今日は焼き鳥なしですか?」と訪ねるとニコニコ親父さんが「いつも15時からやっているんですよ!」と一言。なるほど、今は14時。ちょっと早く来すぎました…。更に聞くと、こちらの商店街は15〜18時までは歩行者天国になるそうです。
「子供たちが下校時に来てくれるんですよ」と親父さん。私も来たいです。
「折角、来てくれたから」と親父さんは自慢の鶏肉で作ったお惣菜を奥から持ってきてくれました。晩ご飯用に「油淋鶏(200円)」を購入したのですがこれが絶品。
結局、この日の晩ご飯は「葱のみそ焼き」「揚げ豆腐のあんかけ」「油淋鶏」と石川台仕様。舌鼓を打ちながら一日の取材を振り返ってみました。
思い返せば、どの商店も40〜50年目。お父さん、お母さんたちが、あの温かい商店街を、石川台の生活を作って、支えてきてくれたのだなと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
それと同時に良い生活文化の溢れる町を訪れ、学び、沢山の人に伝え、自分でも作っていかなければならないなと強く感じました。