Q.『五反田』で連想するワードは何ですか?
A.『風俗街!』
…はい、正解!
って違います。今回は違います。
五反田の本当の魅力を、10年以上五反田に通勤し続けた私がご紹介します。
冒頭に書いた通り、風俗のお店が多いのも確か。それは多分、サラリーマンが多いから。
五反田を歩いていると、あちらこちらから仕事の会話が聞こえてくる。
取引先と電話をしながら汗だくで歩く営業マン、パワーランチ、
山手通りの交差点を颯爽と渡り次の仕事へ向かう人たち。
働く人たちで溢れかえっているから、「よし、自分も頑張ろう」と元気をもらうことも。
その反面、駅前にはレミイ五反田があり、東急ストアや無印良品、お花屋さんから雑貨にカフェまで
一通り入っている。少し歩けば大きな公園もある、暮らしやすい街なんです。
じゃ、いくよ〜。(急にノリが軽くなりましたがご愛嬌)
朝から何も食べていなかったので、取材初日のお昼ご飯はここで。
えっと…ここはレコード屋さんでは…。
でも「used CD LP 輸入雑貨」の看板の下に、「たい焼」の文字。
五反田駅東口から徒歩5分ほどのところにある、「ダ・カーポ」さん。
店内にはその名の通り、中古のCDや LPと、どこから集めてきたんだ?と思える雑貨からなんとジュエリーまでが
所狭しと陳列されています。
たい焼ももちろんあるんですが、今日は「鯛うどん」をオーダー。
おばちゃん、「鯛うどん」くださいな〜。
店主「結構辛いけど大丈夫?」
わたし「大丈夫!」
店主「今から焼くから12〜3分かかるけど大丈夫?」
わたし「…大丈夫!」
きました!鯛うどん。
店主「頭から食べてね〜」
腹ペコだったので言われたとおり頭から、早速ひとくち。パクッ
結構辛いです。でも皮がほんのり甘く優しくて、病みつきになるんですねこれが。
そしてなぜ店主が「頭から食べてね」と言ったのか、それは尻尾のほうに秘密があるからです。
尻尾の中に入っているのはカレーではありません。秘密なので、言いません。食べた人だけが知っているのです。
ちなみに普通のたい焼きもあるので、辛いの苦手な人もご心配なく。
なぜ「鯛うどん」と言うのかは、後の方でわかりますのでそのまま読み進めていただいて。
さて、お腹も満たされたところでそのまま少し白金台方面へと歩いてお散歩。
ああ、やっぱりこの時期は紅葉が素晴らしい。
五反田のパワースポット、「池田山公園」に到着です。
パワーください!
上から見下ろしたり、下から眺めたりと高低差を楽しみながらのんびり歩ける、和風庭園。
駅周辺の様子からは想像もつかない、五反田のギャップ萌えスポット。
もう少し足を伸ばせば東京都庭園美術館へも行けるので、カメラ片手に(なんならたい焼き片手に)是非。
さて、無事パワーをもらったところで(多分)、駅の方へ戻ります。
来る時に結構坂を登ったので帰りは楽チン。スイスイ〜。
と、戻る途中にものすごい自販機エリア。
働く人たちの水分補給エリア。
POKKAさんすごいっすね…と見とれて振り返ると、更にミント色の自販機の列がドーン。
優柔不断なA型には辛いよ…結局選べず西口へ。
西口ではまず「五反田といえばココ」に行くことにします。
そう、「TOC」。この建物本当にカッコいい。
「ティーオーシー」ではなく「テーオーシー」と読みます。
私は9年間ここで仕事をしていました。
地下には飲食店と文房具屋さん、ロンドンスポーツ(掘り出し物がもりもり)、ユザワヤに薬局など。
さっきの自販機で水分補給ができなかったので、大好きだった喫茶店「リプトン」へ。
ソフトクリームをお持ち帰りしたことはありません。
14時以降に入店すると小さなソフトクリームがサービスでついてくるので。
珈琲とソフトクリームの組み合わせ最高。ひんやりと熱々を交互にどうぞ。
珈琲についてきたマドラー用のスプーンでいただきます。
すっかり忘れていた私は14時前に入ってしまったので、元職場のスタッフを呼び出して、無事ゲット。
懐かしい空気の中で近況報告を済ませ、1Fへ。
TOCの入り口を入るとすぐに大型のユニクロがあり、その先をまっすぐ進んだところにある、J.[posh]へ。
私が働いていたSPACE JOYの直営店です。みんな元気そうで何より。
自社で輸入している海外の生活雑貨をはじめ、季節の商品もたくさん揃います。
ここでどれだけ散財したことか…。
展示会で見たときから狙っていたmiffyのマネーバンクが入荷していてテンションがあがる私。
3サイズあります。全サイズ欲しい。でもデカイ。これからまだ取材なのでまた今度…。
このTIPSYのグラスもずっと欲しくて。Duralex®社のピカルディーグラスを使用しています。
自分買いもいいけど、誰かにギフトであげたいな。
雑貨熱が久々にグングン上がって離れられなくなりそうだったので、この辺で。みんな元気でね〜。
というわけでTOCを後にしまして。
TOCの中にも面白い店や美味しい飲食店がたくさん入っているけれど、近くに美味しい蕎麦屋さんがあって
よく利用していました。蕎麦ももちろん美味しいんだけれど、玉子丼が絶品の「遊庵」。
夜は絶品ツマミと日本酒も楽しめます。佇まいもいい。
遅くまで仕事を頑張った夜のちょっと一杯、はココ。もつ焼き「カミヤ」。
メニューは焼き鳥盛り合わせ5本か10本を選べて、塩かタレかを聞かれるだけ。
お通しでお新香が出てきて、あとはたまーにジャガバターとサラダ(大盛りの千切りキャベツが出てくる)を頼むくらい。
遅くまで働いたサラリーマンでいつも賑わっています。
飲み屋には困らない五反田。他にもいろんな店に行ったけれど、ここが一番落ち着く場所。
さて西口をもう少し歩きます。
山手通りの方まで戻ると、通り沿いに格好いい暖簾の八百屋があります。
その名の通り「旬」にこだわる八百屋さん、「旬八青果店」。
もりもりと袋に入ったベビーリーフが2袋で280円!と、格好いい佇まいながら高すぎない(むしろ安い)のがいい。
どれも旬なのでみずみずしくてブリブリとしていて美味しそうです。
ベビーリーフとイチゴを買おうかと思ったけれど明日も明後日も忘年会なんだった・・・。
腐らせてはもったいないのでまた今度。
さて、答えはまだかよ!とそろそろツッコミいただきそうなのでこの辺で「鯛うどん」の答えをば。
旬八青果店からほんの数十歩歩いたところにあるカレー屋さん「うどん」。
道にはもうカレーの匂いがぷんぷん。すっかりお腹がカレーを欲しています。さっき食べたのに。
いちおう「うどん?」と聞いてくる扉が可愛らしい。しかもここのメインはスープカレー。
あーいい匂い…クンクン。
さっきの鯛うどんの中のカレーは、この店のカレーを使ってるんですね。なので、「鯛うどん」です。
それにしてもなんで「うどん」にしたんでしょうね。行ったら是非聞いてみてね。
カレーの匂いを通り過ぎてすぐのところに、今度はうってかわって雑貨屋さん。
このリースが欲しい。。
古いものから新しいものまで、北欧の生活雑貨が揃う「kirpputori(キルップトリ)」。
ヴィンテージのlittalaやARABIAのテーブルウェアも充実しているので、ココだけでしか出会えない一点物に出会える可能性大。
いつ通っても楽しい店です。ムーミンの描かれた看板が目印。
このエリア、他にも何かありそう…とウロウロしていると男性用の大きなサイズの靴の専門店「big-b」が。
私は女子なので靴屋には入りませんでしたが、同ビル上の奥の部屋に、本屋さんの文字があったので入ってみました。
こんなところに本当に本屋があるんかいなと思いながらエレベーターで上がると、ありました。
若干の入りづらさを感じつつ、こんにちは〜。と入ると、洋書の山!飛び交うスタッフ同士の英会話が全く聞き取れません!
「Good Day Books」という洋書専門の本屋さん。
日本のレシピ本の海外バージョンなんかもあって、楽しい。
開くと1ページ目に鉛筆で価格が書いてあります。消費税、5%のままね。このゆるさもいいね。
店内はしっかりジャンル分けされているので探しやすい。ここも掘り出し物がたくさんありそうです。
私は英文科卒ですが英語力がイマイチなのでウィンドウショッピングを楽しませていただきました。
本屋といえば、五反田ではもうひとつ大きな本屋さん「あゆみBOOKS」が。
少し前からステーショナリーや雑貨も置いていて、本のセレクトもさることながら、雑貨のセレクトが結構いいんです。
ビジネス用のスッキリとした名刺入れや万年筆などもズラリ。「こいつデキるな」と思われること間違いなしです。
私は本をギフトにすることが多いのですが、
本とステーショナリーや雑貨を合わせてプレゼントするのもいいね。
ブックカバーのデザインもいいので、持ち歩きたい文庫本はよくここで買っています。
カルチャーを攻めたところでもいっちょおすすめの五反田ランチを紹介しますね。
(ランチというかさっきはたい焼きだったのでね)
遅くまで働く人たちの空腹をしっかり満たす店、「とん金」。
行列を避けようと早めに行ったにもかかわらず、この行列。
腹ペコのサラリーマンが列をなしています。でもみんな食べるの速いからこのくらいなら10分程度で入れます。
カウンター席とテーブル席があって、カウンターの中ではいい体つきの大将が次々ととんかつを揚げていきます。
「カラカラカラ・・・ジュ〜!」という揚げ物の音と大将の動きを見ているだけでも気分がいい。
大盛りのキャベツが主役を待っています。
きたきた!メニューは日替わりで、月曜日はロースカツと、カツカレーの日。
とんでもなくサックサクで美味。味噌汁とお新香とご飯がセットで950円。
いつも大根のお新香が出てくるんだけど、これまた美味。ご飯と味噌汁お代わり自由(さすがにお代わりできませんでしたが)。
ふたりで行ったのでカツカレーも撮らせてもらいました。
昔懐かしい、辛すぎないシンプルな日本のカレーにサクサクのカツに福神漬けは、永遠に食べていたい一皿。(無理だけど)
カツも美味しいけど、ここのカニクリームコロッケが今までの人生で一番美味しいと思った程。
カニクリームコロッケは火曜日です。メンチカツや生姜焼きの日もあるよ。
ランチに続いて、夜はここもおすすめです。
山手線のホームから、ドーン!と見える赤い看板、気になっている人も多いのでは。
そう、「原価BAR」です。
料理も酒も全て原価で提供します、という採算度外視にも程がある、お財布に優しい店。
平日は朝まで営業しています。しかもお酒の種類が豊富なので楽しい!酒好きにはたまりません。
ただし入場チャージが1,600円かかるので、あまり飲まない人にはおすすめしません。
飲めば飲む程お得な店。このまま電車で帰るのがちょっと嫌な夜にどうぞ。
ただでさえ安いのに、HAPPPY HOURがあってその時間帯だとハイボール、なんと10円。(通常80円)
シメでお腹を満たしたい人は1Fにラーメン屋もありますが、駅前の人気うどん店「おにやんま」へ是非。
(ここは本当に「うどん」です)
深夜まで客足の耐えない、人気のうどん屋さん。鶏天うどんがうまい。
機敏に働くお兄さんたちを眺めながらこちらも機敏にチャッチャ!と食べて出るのが流儀。
外には温かいうどんを待つ人たちがひっきりなしに来るので。
さて、すっかり暗くなったので五反田のイルミネーションを楽しんでから帰ることにします。
目黒川沿いをてくてくと歩いていくと、満開でした。
「品川区立五反田ふれあい水辺広場」という長い名前の広場を拠点に、目黒川沿いを冬の桜が彩ります。
この桜は全て自家発電。周辺の家庭や飲食店から回収した使用済食用油を使用して発電している、地産地消なイルミネーション。
「きっと君はこな〜い〜」が脳内を無限ループ。
このイルミネーションの先にはオフィスビルの灯り。「五反田」を切り取ったような景色に出会えます。
冒頭で「風俗街!」と答えた方、
もう一度同じ質問をしたら、なんと答えますか?