やって参りました、両国駅。
………
え?そこどこ?なんて言わないで下さい。
一度も降りた事が無い、なんて人もいる位にローカルな駅ですが、大江戸線と総武線が入ってるし、すぐ隣の錦糸町まで行けば総武線快速も半蔵門線も走ってる便利なところなんですよ!
ここは相撲で有名な場所で、駅西口を出ると目の前に国技館が出迎えます。
相撲は古事記にも記されているくらいに歴史が古く、農作物の出来を占ったり、「健康と力に恵まれた男性が神前にてその力を尽くし、神々に敬意と感謝を示す」行為として豊作を祈願する神事などとして行われてきました。
鎌倉時代に入り、武士がこぞって参加するようになり、そして江戸時代に今のこの形が出来上がったそう。
うーん、歴史調べると街の散策が本当に楽しい。
という事で、国技館の周りには観光客や外国の方々の姿もちらほら。
ちなみに、スカイツリーが奥にどーんと姿を見せてるのが分かりますか?
人混みが嫌いなそこのあなた、この写真の位置覚えていて下さい。
実は隅田川花火が見える隠れスポットだそうです。(と言いつつ私がこの目で確認してはいないので、また報告しますね)
何度も訪れている駅ですが、至る所でお相撲さんの姿を見かけます。
その為ちゃんこ鍋の有名店も数多く軒を連ねていて、仕事帰りにはOLやサラリーマン、地元の方々が一杯引っ掛けに街の中へ消えていく、そんな飲食店でも溢れ帰っています。
お腹が空いてる時に降りるとヤバいんですよね…駅に降りると至る所から良い匂いがしてるから、どの店に入るか悩んでウロウロしてしまうという……(や、やばい。街ブログじゃなくて食レポになりそう)
という事で、まずは昼拵え。
有名な「はせ川」というトンカツ屋さんです。土日の昼間とあって、外まで人が並んでいました。
ここ、入りたかったんですよ〜。
いつも私が通りすがる時は行列だから入れずにいましたが、今日はたっぷり時間もあるし、私も行列の最後尾に並ぶ事に。着物姿のお客さんも発見。
待つ事数十分…待っている間に店員さんが注文を聞いてくれていたので、料理が運ばれるのはとても早かった!
キャベツとライスはおかわり放題。
甘口と辛口の醤油、岩塩をお好みでかけて食べます。
お皿にはからしとわさびが添えられていていました。
どれも美味しいんだけど、私は断然岩塩とわさびが好きでした!うまー!
こんな柔らかくて口の中でとけるロース初めて食べた!
なかなかのボリュームでしたが、綺麗に平らげました。ごちそうさまです。
お腹が一杯になったので、暫く街を散策する事に。
この街は印象としては、グルメは勿論そうなんだけど、犬好きにはとても住みやすい場所だなぁ、という感じ。
散歩コースが沢山あるんですよ〜。
実際わんちゃんと散歩している人の姿を多く見かけます。ランニングの人も!
まずは隅田川。
両国橋から下に降りると、気持ちの良い光景が広がっています。
海水が少し混じっているので潮の香りがするんです。
こんな晴れた日にのんびり歩くの良いな〜。
隅田川テラスは昭和60年からずーっと、隅田川両岸のほぼ全域の整備を続けているんですって。
その長さ、何と46.9km…想像がつきませんが文字に驚く。
相撲の街とあって、至る所に錦絵や色んな絵が飾ってあったりするんだけど、柵も面白い事になっていました。
そとむそうってどうやる技なんだ!?
でも絵が付いてるから色々と想像…するには絵が多すぎました。こんなに技があるんですね、相撲って。
ここをじっくり眺めながら歩くだけでも結構時間が経ってしまいそう。
少し歩いていると、フェリー乗り場を見つけたのでそっと寄ってみる。
ほうほう…色んな場所に行けるのね。
船好きだから凄く乗りたかったけど、浅草まで行ったら両国取材が終了するので今回は諦めましょう。
観光客の方で賑わっていて、看板やフェリーを名残惜しそうに眺めていると乗船員のお兄さんが
「上の受付にパンフレットも置いてるので、是非立ち寄って下さいね」
と明るい笑顔で声を掛けてくれました。
ありがとうございます、パンフレット頂きました!また今度乗りに来ますね。
さて、駅の方面に戻ってきました。
江戸東京博物館は避けようかと思ったんですが、両国を紹介するならば絶対でしょう!という事で常設展に入場してみる事に。
博物館へ入るまでの通りではオシャレな出店とテントが並んでいて、昼間から沢山の人達がバーベキューしてました。楽しそう〜。私も一杯頂きたかった…
江戸東京博物館では期間毎に色々な催しをやっているらしい。
前やってた浮世絵展の時、とっても行きたかったんですよね…。
昔観光の勉強を少ししていたので、物や言葉の由来とか経緯とか歴史を調べるのが大好きな私はここ、結論から言って本当に楽しかったです。
最初に出迎えてくれる日本橋の原寸模型や人々の暮らし、見て下さいこれ!
こんな展示が沢山ありました。
楽しい〜!
説明文は時間の関係でほぼ見流し状態でしたが、それでも精巧な造りの展示物はとても見応えがありました。
中村座の歌舞伎劇場前や、銀座にあった浅野新聞社の前では催し物もやっていて、南京玉すだれの芸者の方が。(お名前を控え忘れました、すみません…)
外国の方の姿が多かったですが、玉すだれに合わせて一緒に歌っている方々もいました。
このフレーズ聞いた事あるような気がする〜。
始終ポージングもバッチリだったお姉さん。ありがとうございました。
予想以上に長居してしまったので、博物館を出て旧安田庭園へ向かう事に。
丁度階わんちゃん二匹とボールで遊んでいる人がいました。わんこの散歩コース、この辺りです。
博物館の脇にあるこの道は、ずーっと桜並木が続いていて春は綺麗なんですよ。
隣が学校なので子供達の声でも賑わっています。
そんなこんなでわんこを触りながら歩いていると着きました、旧安田庭園。
ここは天気の良いお昼時や休日には、木漏れ日の下でベンチに腰掛けてのんびり読書していたり、非常にゆったりとした時間が流れています。
地元の方々の散歩コースでもあるみたい。
鯉の他に亀もゆったり泳いでいて、鳥のさえずる鳴き声もそこかしこで聞こえるし
ここだけ時間がスローペースで流れているような錯覚に。
この池(心字池と言います)は、昔は隅田川の水を引き込んでいて、干満がありました。
今は隅田川の汚染が進んでしまった為、地下貯水槽を利用して人口的に水位を変化させているんだそう。
水位が変わる池って初めて見た気がします。
散策でリフレッシュ出来た辺りで、この庭園に隣接しているカフェ、「両国テラス」に入りましょう。
実はここでランチしたかったんですが、店をはみ出して道路まで長い行列が出来ていたので急遽予定を変更したんです。
お昼を過ぎたら少し人も減っていましたが、お気に入りのテラス席はバーベキューの予約で座れず、店内に。
テラスは犬を連れて入る事が出来るので、よく散歩中に立ち寄られる方が多いんですよね。
以前、わんちゃんを連れた常連さんらしき人と店員さんが仲良くお話をしているのを見かけました。
旧安田庭園の借景を頂いている店内は、今日は天気も良く窓が開放されていました。
見よ、半テラス状態!
窓が全部緑で埋め尽くされてるって、やっぱりとても良い眺め。
緑さわさわしてて木漏れ日が注いでました。天気の良い日にあの一番端っこの席で寛ぎたい…。
この店にはWi-Fiが通っているのでパソコンで作業する場所を探している方には本当に便利。
空間が良いので、緑の傍でついつい長居してしまいます。
ウォーキングやランニングをする方が多いからか、ランチのメニューは「アスリート食堂」というメニューの中から栄養たっぷりの品を三品選ぶ仕様になっています。
勿論パスタとかもあるんですが、雑穀米食べたさにいつもアスリート食堂を注文する私。
「隅田川ラン」を楽しむ方の為に、シャワー設備なんかもあるらしい。
ランチを過ぎた時間帯は、デザートセット。
まだトンカツで満腹でしたが、美味しそうなのでガトーショコラを注文。
濃厚なケーキにホイップとベリーソースの酸味が良く合って、美味しかった〜!
ちなみに、このカフェの横に古い家があるんですが毎回毎回とても気になるんですよね…。
この古い佇まい、良い。
扉には色褪せた「今も無事で」と書かれたシールが貼られているんですが、恐らく昔は「今日もご無事で」と書いてあったんだろうなというのが伺えます。
こんな古い家がいきなり出てきたりするから、やっぱり面白いです。
店を出ると庭園の入口から道路を挟んですぐにある、都立横網町公園へ。
ここから駅前の大通りに出る事が出来るので、いつも通ります。
来るとつい吸い込まれるようにベンチに座って木を眺めてしまう…。
何気無しに見ていた建物でしたが、大空襲と大震災、日本人にとってとても大切な建物だと知りました。
慰霊堂が建っていて、その周りには沢山の緑と小川、ベンチや遊具。公園もあるので子供の姿がとても多い場所。
お花で溢れていて、ここも庭園と同じく癒される空間です。
ちなみに公園を出てすぐの、大江戸線の両国駅入口付近には「北斎通り」という通りがあるんですが、その一角には両国湯屋「江戸遊」という銭湯があります。
銭湯や温泉好きの方には遊びに来たついでに是非立ち寄って頂きたい場所。
中はどんな事になってるんでしょう…こっそり扉を覗いたりしてみましたが、ここは訪れるまでのお楽しみってことで。
他にも焼き物などを売っているお店やコットンを扱うお店なんかを覗きながら、通りを出て「清澄通り」へ戻ってきました。
ここは飲食店が多い通りで、スーパーやコンビニも喧嘩するみたいに少し歩くたびに入っています。
コンビニもスーパーも大江戸線・総武線の両国駅どちらも歩いてとても近いから、この道路周辺は住みやすそう。
そんな清澄通り、お江戸両国亭「両国寄席」という看板や、至る所にある浮世絵なんかを通り過ぎて総武線両国駅の東口へ。
この東口を出てすぐに、昼に行ったトンカツのお店も入る「横綱横町」の通りが…っていうか目の前。ようこそ!みたいな感じで口を開いてます。
横網町(よこあみ)があるので間違えやすいですが、「よこづなよこちょう」です。ここはよこづなと読みましょう。一度間違えて地名の方を「よこづなちょう」って読みました
言ってみれば、いわゆる飲み屋ストリート。
雑誌で掲載されたお店がわんさか存在しているらしい。
ちゃんこ鍋屋さんにお蕎麦屋さん、天ぷら屋さんに焼き鳥屋さん、もつ焼きなんて文字も。
うーん…これは悩む。皆はしごでもしてるんだろうか。
あ、勿論ランチも沢山営業しているのでお昼にも安心してお越し下さい。
この通りから少し歩いた路地裏にあるお店、各国のビールが勢揃いした「ポパイ」は、500円という格安でお昼にランチをやっています。
タモリ倶楽部など各メディアでも紹介されていたので知っている方もいらっしゃるかも?
夜は入った事がありませんが、ランチは物凄いボリュームで美味しかったので是非一度行ってみて下さいね。勿論ビール好きの方は夜にも!
写真だけ撮った所で、軒を連ねる居酒屋さんの一つから軽快な太鼓の音が鳴り始めたので興味津々に足を運んでみた所、お店の前で太鼓を持って立つはっぴ姿のおじさんを発見。
店の中では笑い声と太鼓の音と、掛け声で賑わっていました。何軒か回るんだそう。
下町って感じだな〜。嬉しい遭遇でした。
実は最初にグルメで両国について調べた時に、非常にコメントの多かったのがちゃんこ鍋と居酒屋さんと立ち飲み屋さんでした。
一人で入った事はありませんでしたが、居酒屋さんの看板だけ眺めてるのも寂しいし、もう夜だし、写真撮り足りないしで意を決して入ってみる事に。(ちゃんこ鍋は一人で食べきれないので真っ先に除外)
この右側の赤い提灯が並んだお店、少し前まで空いていたんですよ。
中がかなり和風で楽しくて中を覗いていたので、突然お店が入っていて驚きました。
しかし本日入るのはこの店ではありません。
今回はこちら。
いつもは人で賑わいすぎて入れそうにない、噂の「東京立呑倶楽部」は「たちのみくらぶ」ではなくて「りっとんくらぶ」と読むそう。色んな雑誌に掲載されているお店です。
正直入るまでに5回くらいウロウロしました。女一人でしかも立ち飲み屋に入るのは本当に勇気がいります。完全に不審者…。
入ってみると、あれ?外で見るよりも店内広い。
気さくなママさんが声を掛けてくれました。既に先客の常連さんお二人もカウンターに。
生ビールとちくわきゅうりを頼んだ所で常連さん達が
「ここは頼まなくても勝手に出てくるから」
って皆で笑いながら声を掛けてくれました。
言葉の通り、続々出てくる出てくる。お通しとして大根、お餅揚げ、ちくわの3皿も!
どれもお酒に良く合う美味しい一品でした。これでタダとは…本当に良いんでしょうか。
ていうか二度言うんだけどマジで美味い。
常連さんやママさんが本当に気さくに話しかけてくれて、両国の色んな話を教えてくれました。
ここは昔大空襲にあって焼け野が原になったんだ、とか。
とっても美味しい和菓子のお店、老舗の予約が取れないちゃんこ鍋のお店。
そして社長さん、なんとお昼は不動産会社をされているそうで、夜にはこの立ち飲み屋さんを営業されているんだとか。
土日よりも平日の方がお客さんが沢山らしい。
そうですよね、いつも通り過ぎる時にはぎゅうぎゅうに満員ですもん。
「ネクタイ族」が多いからさ〜、仕事終わりに来るんだよ。って軽快に笑う社長さん。
ネクタイ族、良いな。使おう。
色々と楽しい話を聞いているとお酒が進みます。
料理も安くて美味しいし、お話も楽しいし、常連さんが本当に多い理由が良く分かりました。
軽く飲みたい時には是非オススメします。
という事で、両国駅の紹介でした。
実は入社して一番最初に取材した物件が、ここ両国にあったんです。
初めて立ち寄ってというもの、のんびりしたお江戸の下町が好きになってしまいました。
相撲の他にも、お江戸の歴史、緑豊かな自然、わんこ、夜の賑わい。私の中で持っているこんな印象を、上手くご紹介出来たでしょうか?
まだ降りた事の無い方も、是非遊びに立ち寄って頂ければと思います。
勿論、仕事終わりに一杯引っ掛けにも、ちゃんこ鍋を囲んでの飲み会にも是非。(笑)