歴史をさかのぼること四百年あまり。
江戸時代に、江戸四宿の一つ、日光街道の宿場町として栄えた場所。
足立区 北千住。
隅田川と荒川に囲まれたこのエリアには、かつて宿場町として栄えた歴史を感じさせる街並みが残ります。特に、千住エリアをほぼ南北に貫く旧日光街道周辺は、宿場町としての顔が所々に残っています。
江戸時代は、間口に対して税金が課せられていたため、節税のために、敷地の間口を狭くしていたのだとか。その名残りで、奥に細長い鰻の寝床状の区割りが今でも残っているのです。
そんな歴史のあるこのエリアでは、たくさんの細い路地が発展し、今では、その路地裏に、隠れ家的に雰囲気の良い飲食店がひっそりと佇んでいるのです。
それとは対照的なのが、駅前エリア。
ルミネやマルイなどのショッピングビルが立ち並び、近代的な都市としての顔を形成しています。また、東京芸術大学 北千住キャンパスや、最近では、東口に東京電機大学が移転するなど、学生の街としての一面も。
そんな新旧の街の顔が入り混じる北千住の魅力を発掘していきましょう。今回は、勝手ながら夜の街歩きを敢行いたしました。
北千住駅西口を出て左。細長く伸びる通称「飲み横」。
戦後のバラックからはじまったとされる飲み屋街は、昭和の香りを残すディープな飲み屋が多いです。
北千住に来たら、そんな「飲み横」にある串揚げ居酒屋「天七」から飲み歩きましょう!
立ち飲みスタイルの店内へ。おぉ。賑わってる!
ワイワイガヤガヤ、皆さん常連さんの香りがプンプン出てますね。一人飲みの方も意外と多いです。
とりあえず人気メニューの豚カツ、牛カツ、えび、ナスを注文。もちろんビールも。
飲みながら気づいたのですが、皆さんの滞在時間結構短いです。
とりあえずビールと4〜5串って感じでしょうか。さくっとな感じです。
長居はしない。それが千住流なのかもしれません。
「飲み横」の次に行くべきエリアとしては、「宿場町通り」ですね!
西口を出てまっすぐ。きたろーど1010を日光街道方面へ歩くこと数分。
宿場町通りは、北千住の中でも名店が多く立地する、グルメエリアとなっています。
その中でも、やはり外せないのは、1877年(明治10年)創業の「大はし」。東京三大煮込みの一つとして有名です。
さっそく店を入ると。何なんだこの熱気は!!4時半のオープンからまだ時間がそこまで経っていないのに、この入り。
恐るべし、東京三大煮込み。
一見さんは、どうやら僕一人のようで、他のお客さんは、常連さんのよう。
壁一面にボトルキープされたキンミヤ焼酎の数が半端ない。
ただし、ここでも長居をしない千住のルールが。皆さん小一時間ほど盛り上がったら、潔く帰って行きます。
それが粋ってやつなんでしょうか。
ここでも千住のルールを学ぶことができました。
気になった方もいらっしゃるかもしれませんが、大はしの看板には、「千住で2番」とあります。気になる。。。
大将にその意味を訪ねてみると。「1番は、お客様」だと。「我々は2番で良い」と。何とも粋です。
北千住の名店として、もう1店、「バードコート」をご紹介。
焼き鳥屋さんとしてミシュランで1つ星を獲得した言わずと知れた名店。
こだわりの焼き鳥をビールと一緒に味わうのがベストかと。
木のルーバーのオシャレなファサードからは、そこが焼き鳥屋さんということは、一見分かりません。
室内は、そこまで広くなく、カウンター席とテーブル席がほどよい距離間で配置されています。何とも上品な店内は、僕のイメージしていた焼き鳥屋さんのガヤガヤ、モクモクした雰囲気とはまるで違いました。
ワンランク上の焼き鳥を贅沢に味わえるお店としてオススメです。
このエリアには、古い建物をリノベーションし、魅力的なお店に再生された店舗も多いのです。
例えば、「一歩一歩」。このお店は、従前の建物の柱、梁をそのまま活かし、炉端焼きが楽しめる居酒屋として、2007年に新たにオープンされました。一歩一歩では、農家から直送される旬な野菜が食べられます。
さっそく中へ。威勢の良い「いらっしゃいませ」に出迎えられ、席につく。
すると、籠いっぱいにのせられて本日の野菜が登場。籠の中から、食べたい食材を選び、それをお好みで調理してくれるのです。
これまであまり縁がなかったけど気になる存在、ソラマメを注文。素材の味を楽しむため、炉端焼きでオーダー。
旨いです、ソラマメ。クセになります。野菜本来の美味しさを味わい、美味しいお酒が楽しめる店、一歩一歩。オススメです。
これまで、北千住のディープな面をご紹介してまいりましたが、ここからは、ちょっと実用的なお話を。
北千住。実は、かなり交通の便が良いって知ってましたか?
JR常磐線、東京メトロ千代田線、東京メトロ日比谷線、東武伊勢崎線(押上から半蔵門線直通)、つくばエクスプレスと5路線が利用可能なんです。意外です、北千住!
さらにです。観光地までのアクセスも良いです。日光までは、東武伊勢崎線でさくっと行けるのはご承知のとおり。
意外と知られてませんが、箱根までロマンスカーで行けちゃいます(千代田線経由)。すごくないですか、北千住。
都心へのアクセスも抜群で、観光地までのアクセスもグッド!
そんな魅力あふれる北千住。
近年、住みたい街としてのランキングも急上昇中!!
リクルート住まいカンパニーの「2014年 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版」によれば、北千住は、21位。
順位は、ちょっと中途半端ですが、前年の48位から順位が急上昇中!!
ディープで多様な北千住から、今後も目が離せない!!