東京の数ある街の中でも観光地として最も有名な浅草。
そんな浅草にどんなイメージを抱いていますか?
雷門・浅草寺・観光客・天婦羅・下町人情・金色のあれ。。。
僕も初めはそのくらいのイメージしかなかったです。
更に何だか一歩踏み込めないところがある、それが浅草のイメージでもありました。
実際に住んで知っていくまでは。。。
浅草線浅草駅の出口付近にこんな看板があります。
・初詣
・大根まつり
・節分。。。イベントが目白押し。
いや住んで初めて気付いたんですが、、毎月お祭りがあります。
これ本当に毎月なんかやってます。毎月やっているんで、こう月日が過ぎてゆく感じというか、
空の色が変わって、音色が変わって、1年の終わりを迎える。
その段階を凄くリアルに感じる事が出来ます。
オススメは6月のほおづき市。ほおづきのオレンジと売り子の威勢が凄く味を出します。
駅を出ると観光地よろしく、お店がずらっと立ち並びます。
そして金色のあれです。撮影をするか悩みましたが、やっぱり、、ね!ご挨拶ですね!
駅の周りは、着いたばかりでタイミング的にキョロキョロしているので、飛ばしてしまいがちですが、神谷バーの建物や伊勢崎線の駅は風情があるので、顔を上げて是非見て欲しいです。
『伊勢崎線浅草駅』
先ず以て、ベタに雷門へ向かう。
仲店通りは毎日混んでいますが、一本道を外れるだけで、マニアックなお店がたくさんあるので、一度歩いて見て下さい。でも表が賑わっていいると言うのは、良いものでワクワクしてきますね。
僕的には、早朝と夜のお店が閉店した後の仲店がイチオシ!
シャッターが閉まるので活気は全くないですが、風が通って凄く気持が良いんです。浅草で飲んだ帰りなんかは、ランランしながら散歩がてら是非。
ここからは、あえて浅草寺には行かずに6区方面へ流れてみます。
雷門を背にして真ん中辺りを左方向に進んで行くと、浅草6区エリアに流れ着きます。
ここには有名な『ホッピー通り』『煮込み通り』とも呼ばれる通りがあり、昼間っからお酒が飲めます。
というか昼間っから飲んでます。
客引きも多いですが、華麗にスルーしていい店を見極めて楽しむのが通ですね。
一本通りを外れても飲み屋が乱立しています。
『一本外れた煮込み通り』
生ホッピーを出す店があったり、外カラオケをしているおっさんがいたり、慣れないとちょっぴりカオス入ってますが、座って一杯飲むともれなく溶込める仕様になっています。
更に一度組み込まれると、暫くはハマる仕様にもなっています。
だんだんコアになってくると、、、
こんなニッチな食堂なんかで、飲む様になります。
『食事処水口』は創業60年。種類は100種類以上。でも妥協はなく旨いです。お近くに有名な洋食屋さんもありますが、
やっぱりエッセンスを感じるのは、こういった面白いお店ですね。
中の写真も撮りたかったのですが、漏れ無く入ったら飲まないと帰れない仕様ですので、本日は控えさせて頂きました。
水口さんからすぐの所にあるのが、
僕の愛してやまない『東京蛍堂』モダンボーイ・モダンガール御用達のお店です。
開店当初からよく遊びに行っていました。
大正から昭和初期のモダンな日本のテイストを伝えるお店。
ここの何が僕を引き寄せるのかと言うと、そのストーリー。
入り口ヤバイ
この物件は一般では募集しておらず、イメージに合う物件に出会えなかった悩める店主が
奇跡的に紹介してもらった物件。
区画整理で、建物に埋められてしまった物件は、元のままほとんどそのまま残されており、
その物件を綺麗にしながら、お店として使っています。
僕がアールストアに入る前から、この話を聞いて感動したものです。
そんな奇跡の出会いを提供して行きたいものです。
萌え過ぎる入り口
僕が始めて店主と出会ったときに、言われて強烈に残っている言葉。
『僕らが活用するモノは「和風」ではなく「和」なんだ』と。
すべてに置いて日本をくまなく、いや勿体無いかの如き愛する店主のまっすぐな目は今も変わりがありません。
店内は時代を感じさせる古物がたくさん
小物から、内装から、衣装まで揃っているんですが、本当にタイムスリップしたかの様な空間は、最高。
ラジオからの音、テレビから流れる映像。すべての五感をもって、
興味がなかった人までを、その世界観に引込む力は凄まじいものがあります。
一見適当な様な陳列ですが、上手過ぎます
ドライに考えてもアイディアに溢れているので、和の空間に興味がある人は是非!!
話をたくさんしていたら、お腹が空いてきました。
今日はガッツリ行きたい気分。
6区からひさご通りを通って、裏浅草界隈へ。。
ガッツリいくと決めた日には、やっぱり菜苑の名物純レバ丼
男らしい濃い味ですが、無性に食べたくなる時があります。
裏浅草界隈は、とてもコアな店が多いです。
上級向けな様ですが、実はとても気さくで素敵なお店が点在しています。
これ以上深くは紹介しないですが、この点在感が上級なのかもしれませんね。。。
純レバ丼は結構強めな味なので、僕が一番通い詰めた喫茶店でコーヒーブレイク。
『喫茶ロッジ赤石』
夜遅くまで、営業しているし、ご飯も美味しいし、何時でもずーっといられます。
年期の入ったマイコンゲーム機を必死にやっているおばさんや、芝居稽古後の座談会など、客層は幅広いです。
大事なサッカーの国際試合があっても、巨人戦を優先する傾向があるので、注意。。
ここに来ると、帰ってきた気がして、本当に心が休まります。
数年ぶりに行っても、覚えてくれている本当に街にはなくてはならないお店。
初めて入ったときに、
『お兄さんご飯ちゃんと食べて無いだろうから、お腹が空いたらいつでもおいで!』
っていわれた事は、今でも忘れる事が出来ない大切な思い出。
ひょろっと立ち寄ってもいつでもいつもの様に迎えてくれる、暖かいお店です。
そこから徒歩1分位のところに、曙湯という銭湯があります。
少し改装されてしまい、残念ですが、このフォルムは新しいモノに慣れてしまった我々には、やはりインパクトがあります。
この銭湯もとても、楽しいです。
気さくな雰囲気で、利用するともれなく浅草の人になれるかも?
僕は実はあまり他人とすぐに打ち解ける性格ではないですが、ここでお友達が数人できるほど、皆気さくです。
何してるか知らない人ですが、確かに風呂友ではありました。
裏浅草には語り尽くせぬ程大きな物語があります。
そこは、普通の街では得られぬ温もりと、人間そのものを許す様な暖かさに常に溢れています。
皆他人の様に生活はしていますが、他人ではない様な不思議な感じ。
裏浅草で隅田川花火を見る時は、地面に座って建物の隙間から楽しみ。
祭りの時には、道ばたでそこはかとなく酒盛りをしています。そこには変わらぬ人間の生活がしっかりとあるんです。折々の行事をこなし、一年をじっくり大切に生きている人達がいるのです。
そんな感傷の中、一番印象的な場所を通って帰ろうと思いました。
再開発が進む六区の中で、開発前に僕が一番衝撃を受けた場所。
煮込み通りと同じくして、藤の下で飲める場所。
『初音小路』
初めて来た時の、規模と勢いは先に紹介した『煮込み通り』の比ではありませんでした。
競馬やってるおっちゃん、よく分からないことを熱弁するおばちゃん、なんか雰囲気ある人、何故かお洒落な若者、それがごちゃごちゃに藤の花の下で呑んでるのです。そんな場所も整理が進み、何だか寂しげ。
時代の流れとはいえ、何だか寂しい気もします。。そんなに時間経ってないのに。。。。
それでも残ってくれているもの。
個人的には、思い入れがある
『浅草観音温泉』
ここのシュールさと、存在感たるや時空を超えています。
位置的には浅草寺の真横。
まだまだ営業してるし、、一時代の名残も感じられます。それも経験としては一興といったところ。
『浅草寺』
やっぱりいいです。
大きいものは良いものです。毎日の様に見ていましたが、何時でも大きく出迎えてくれるものは良いです。
そんな眺めと言うのは、本当は生活にはなくてはならない重要なファクターなのかもしれません。
『銀座線地下街』
何から何までが、面白い浅草。
そんな浅草も、新しい空気が入り少しずつ変貌を遂げています。
それでも変わらない人。お店。
守りたいもの、守るものがあるから、この街はいつまでも人になんとなく魅力がある様に感じられるのでしょう。
人が移り住むのには理由があり、そこには小さな歴史があるのものですが、
街も同じくして移り変わり、それでも不変の「何か」があるから、そこに想いが残るのかもしれません。
そこには変わらないでいて欲しい気持と、変わっていて欲しい気持が混在しているのにも関わらず。